「母の日に何が欲しい?」と夫が聞いてくれた。
まぁそれは数日前「母の日」なんて言葉は頭に無さそうな彼に「日曜日は母の日だね、一応私も母だね、あ、何か祝ってほしい欲しいという事ではないけどね」とラジオ体操をしながら言ったからなのだが。
何が欲しいか?
ワイン、化粧品、調理道具、服、植物、一人の時間、色々ある。
ちょっと考えて、「じゃぁ日曜日の夕食はお願いしていい?」と言ってみた。
ここ最近ずっと自分が作った料理ばかり食べている。
献立を考えるのも買い物も私。
朝ご飯の片づけをしながら既に夕飯の下ごしらえもちょこちょこ。
料理をするのは嫌いじゃないけど疲れは静かにやってくる。
昨夜頑張って作ったピーマンの肉詰めを夫も子供たちも無言で食べていたのを見て心の中が砂漠のようにカラカラになった。
自分で言うのもなんだが美味しかったし、ピーマンは私の中ではかなり健康に配慮した食材だったし、あのいびつで底の浅い容器の中にひき肉を詰めるのはなかなか大変だったのに。
わぁ美味しい!と言ってほしかった。
確かに、茶色い普通のおかずには違いなかったが。
誰かが作った料理を食べたい。
私のために心を込めて作ってくれた料理を。
そんなことを思っていたら、母から電話があった。
「宅配便を送ったから。日曜日の午前中に着くから受け取ってね」とのこと。
そして母の日当日。
父と母で作った手作りの料理が3品、マスク一箱(どうやって買ったんだろう)、
娘と一緒に作れるお菓子の材料、娘へのプレゼント(けんだまと手紙)が入っていた。
料理のうちの1品は私の大好きな会津の郷土料理、鰊の山椒漬。
早速昼から一杯飲みながら頂いた。
肉厚の鰊のミッチリとした歯ごたえにたっぷりの山椒のピリリが子供の頃から大好きだった。
保育園にも公園にも行けない娘もけんだまは大好評。
ポロっと来てしまいそうになる。危ない危ない。
「ありがとう」と電話をしたら私が贈ったシェリー酒もちょうど今届いたよ、とのこと。
いやいや。
母の日に母(と父)からのプレゼントとは。
母には到底かなわない。
夫に買ってほしいものは山ほどあるが、今日は夕食を作ってもらおう。
それで自分で選んだとびきり美味しいワインを開けて、私がいかに頑張っていて疲れているか、色々なことに悩んでいるか、今どんな夢があるのか、じっくり聞いてもらおう。
そう思ったらワクワクしてきた。
うん、悪くない母の日だ。
もしかしたら最高かもしれない。
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